Hill’sSideHouse×藍染

先日、2020Spring&Summerの企画の1つである藍染バッグの打ち合わせに徳島県へ。

百聞は一見にしかず

インターネットのおかげで、ある程度の情報は、パソコンの前に座って入れば入手できる。企画によっては、それで十分だと思うが、この企画は、よりリアルな情報を伝えて行きたいと思った。それには、まず自分が現場へ行って体感しない事には話にならない…

だから、いざ徳島県国府町にある

株式会社岡本織布工場さんへ!!

藍染の原料

この土の様な塊が藍染の原料となる<スクモ>逆光で分かりにくいけど…

この塊がそれ。そして周りの乾燥している葉っぱや茎が、藍の葉っぱと茎だ。

このスクモは、藍農家が収穫した後に葉っぱだけを取り出していく。その取り分けた葉に水打ちし時間をかけて掻き回して葉以外の不純物を取り除きまた水打ちし掻き回してを繰り返し葉を発酵させて腐葉土の様にしていく。そこから更に乾燥させて写真の様なスクモにしていくのだ。この作業は、実際に見たわけでは無いけど聞いただけでも気の遠くなる話。

そしてある程度の規模でこの様な作業が出来る藍農家は、現在日本では徳島県に5件、北海道に1件と全国で6件しか存在しないそうだ。

これが生地を染める染液。

この中に布を浸して、染めていく…

染色

いよいよ、生地を染めていく。

これが染める前の帆布。

染める前に水洗いをして埃などの汚れや糊を落としていく。

これが一回浸して引き上げた帆布。

液は、藍色だがいきなり藍色に染まるわけではない。画像は、茶色だがここから空気に触れて酸化し徐々に緑がかった色に変化していく。

直ぐに空気を含みながら水洗いする事で更に酸化し藍色に変わっていく。

茶色から黄緑、藍色に変化していく様は、なんとも不思議な感覚だ。

これは、まだ一回。

納得のいく藍色になるまで何度も何度もこの作業を繰り返し行う。

作業場には、何回でどれ位染まるかの色見本の糸が掛かっている。職人は、これを見ながら色合わせをしていくのだが、天然素材の為確実にこの色になるとは限らない…染める生地の厚さや大きさ、綿の種類でも違う。素材だけとは限らず気温や湿度など自然環境でも全く変わってしまう。そこを職人の経験と勘で納得のいく藍色に染めていくのだ。

これは、「藍の手板(ていた)」と呼ばれる物。昔は、先ほどの糸では無くこの手板で色合わせをしていたらしい。

藍は生き物

画像の泡は<藍の華>と呼ばれ藍の染色が弱くなると現れる。これを「華が咲いた」と言い1つの印となる。藍が弱くなると染液を一度流し、綺麗に洗いまた水を入れスクモを入れて藍液を育てていくのだ。

昔は、藍の機嫌が悪いと日本酒を飲ませて機嫌を取っていたらしい。

正に職人と藍、二人三脚での歴史だ。

藍染の命「水」

そして藍染業にとって欠かす事は出来ないのが不純物がほぼ無い新鮮な水だ。

作業場では、ほぼ1日水が流れている。

岡本織布工場の場所は、徳島を代表する吉野川と鮎喰川が流れる中洲に位置し豊富な水源がある。工場で流れる水も地下水をくみ上げて使用されており年中新鮮な水が流れている。

また、水質も軟質というのも関係するのだ。

正に地場産業。

この地で染めるからこその藍色だ。

青でもなく、紺でもない、藍色。

日本を代表する色…

しかし、ここでも直面するのは後継者がいないという、現実…

国内生産に携わり、縫製工場だけでなく革問屋、タンナー、金具屋、テープ屋…etc

多くのメーカーが抱えている問題であり、不安で、僕達ブランドとしても死活問題だ。

でも、僕達が跡を継ぐ事も出来ないし、望まれてもいない。

なら僕達に出来ることは、インプットした情報をアウトプットしていき、知ってもらうことだろう。

興味の無い人に見てもらう必要は無い。

興味があり、情報を欲している1人でも多くの人にこのブログが読まれるよう発信していくしか無いと考えている。

決して楽な仕事では無い。

夏の工場は暑く、冬は想像を絶する寒さだろう。生地を絞る力も必要で染める時は中腰な為関節の痛みも出てくるだろう。常に藍と生活を共にし確実なレシピがある訳では無い為ちょっとした変化を読み解く職人としての経験も積む必要がある。

それでも興味のある方は、是非、自分の目で見て欲しい!!!

僕は、これからもこの様な絶えさせたくない情報をインプットしてHill’sSideHouseへと昇華していき、アウトプットを続けていきたいと思う。

今回伺った岡本織布工場さんのURL

http://rampuya.com