阿波の本藍染 tabiシリーズ

今日は、Hill’s Side House2020 tabiシリーズ『阿波の本藍染め』について

藍染めは、人類最古の染料と言われています。
戦国時代には、藍の色の1つである『勝色(かちいろ)』が、
勝利につながる縁起の良さから、武士の鎧下着を藍で染めるのが流行した為
藍の生産が本格化したと言われています。
徳島の藍は、その品質の高さから別格とされ、
阿波の藍を『本藍』としその他の藍を『地藍』と区別されました。

日本の伝統美『藍染め』が生まれるまで

藍染めの染料は、この土の塊のような物となり
これを『蒅(すくも)』と言います。

藍づくりの作業は、春先から始まります。
藍の原料となる蓼藍(たであい)を藍農家さんが
春から梅雨明けまで丹精を込めて育てます。
みずみずしい濃い緑に育った藍を総出で藍刈りに取り掛かります。
暑い日照りの中、腰を落として1つ1つ丁寧に刈り取るのは重労働。
刈り取った藍は、天日干しし乾燥させそれをさらに小さく
刻み葉と茎に選別されます。

蒅(すくも)の周りにある乾燥している物が藍の葉と茎

茎をすっかり取り除き、からからに乾燥した藍の葉を『葉藍(はあい)』
この葉藍(はあい)になったら完成という事ではありません。
この葉藍(はあい)を発酵させ蒅(すくも)にして初めて染料となります。
9月上旬の大安の日、いよいよ蒅(すくも)づくりが始まります。
1m60cmに積み上げられた葉藍(はあい)に5日毎に水をかけ、
葉藍(はあい)を上から下まで満遍なく交ぜ返します。
この作業を『打ち水』と言います。

この発酵を促す打ち水は、消毒した水道水では駄目だと言います。
また、浅い井戸は塩気があって使えないので
地下80m下の地下水をポンプで汲み上げて使います。
これは、染工所でも同じで作業場では年中新鮮な水が流れ続けます。
豊富な水源があるこの土地だからこそ生み出せる藍色なのです。

この打ち水と切り返しを繰り返す事で藍の発酵が進みます。
突然、気温が下がり葉藍(はあい)が冷えると発酵が止まってしまう為
藍農家さんは、寝る間も惜しんで葉藍を育てます。
そして12月上旬、やっと蒅が完成します。
人と藍の真剣勝負の末、葉藍(はあい)は純化され
美しい藍色を創造する為昇華していくのです。

写真は藍の『手板(ていた)』と呼ばれるものです。
完成した蒅(すくも)はこの手板(ていた)にして色合いを検討します。
手板(ていた)の鑑定は正確で、これにより阿波藍の等級と価格が決まります。こうして蒅(すくも)の出来具合が確認され、
全国の染色所へ発送されて蒅づくりは終焉を迎えます。

藍色に染めていく

蒅(すくも)が完成したから、さあ染めよう!!という事になりません。
ここから藍色に染める為の染料を作る工程に入ります。
この染料を作る工程を『藍建て(あいだて)』と言います。
染料を作る材料を藍甕(あいがめ)に入れていき時間をかけて
じっくり混ぜ合わせます。
2、3日後表面に薄い膜が張ったら櫂入れ(かいいれ)の作業に入ります。
1.5mほどの竹竿で円を描くように液を混ぜていき
沈殿物を浮かせて材料を均等に混ぜ合わせます。
それを繰り返し繰り返し行い1週間ほどすると表面に泡が立ち、
藍の華が生まれます。
これを『華が咲いた』と言い染める事が出来るサインとなります。

写真の泡が藍の華。
藍は非常にデリケートで放っておくと機嫌を悪くします。
その為職人は毎日藍の状態を確認します。
葉藍や藍建ての時にも入れるのですが、
どうしても機嫌が戻らない時に入れる物があります。
それが日本酒。
染液に異常が生じた時は日本酒を入れて
機嫌を取ると調子を取り戻すそうです。
これが藍は生き物と言われる由縁なのかもしれません。

いよいよ染に入ります。
染めの方法は生地から染める生地染めと
糸から染める枷染め(かせぞめ)があります。

これが枷染め(かせぞめ)。
藍甕(あいがめ)の中に糸の束を浸し職人が手作業で
絞っていき染めていきます。

なんとも言えない青へと染め上がります。

今回のHill’s Side House tabiシリーズの藍染は、
ブランドオリジナルの帆布を生地染めしていただきました。

先ずは生地に付着している汚れや油分を水洗いして取り除きます。
生地には特別な加工を施していませんが、
日本の天然綿は非常に品質が良く油分が多い為
加工をしていなくてもある程度の水は弾きます。

染液が泡立たないように生地をゆっくり沈めていきます。
この時気泡が入ると染めムラの原因となるからです。

生地を引き上げると深い茶褐色に染まります。
これを水洗いし空気に触れさせることで
酸化してどんどん鮮やかな青に変わります。
水で洗うと不純物が流され、水中の酸素と空気中の酸素よって酸化して、
鮮やかな藍色が生まれるのです。

この工程を繰り返す事でより深い藍色へと染め上がります。
Hill’s Side Houseが今回お願いした藍染めは、
13回この工程を繰り返してもらいました。

蒅(すくも)の状態を確認するときに使用している
手板(ていた)の様に作業所にもこの様な枷(かせ)が下がっています。
職人は、長年培ってきた経験と勘で納得のいく藍色へ染め上げていきます。

青でもなく、紺でもない。日本を代表する藍色。
一連の工程が終了したら綺麗な水で余分な染液を洗い流し
よく乾かしたら染めは終了です。
その後、縫製工場へと戻され仕上げの工程を経て、
皆様のお手元に商品が届きます。

生地が染め上がるまでを動画にしてYouTubeに上げております。

ご興味ございましたらご覧ください。

長くなりました(;’∀’)

日本には、まだまだ知らない素晴らしい伝統・文化が
沢山あります。一つでも多く出会ってそれをHill’s Side Houseに
昇華できたら良いな~と思っております。

皆さんにとって最高の相棒が見つかる事を祈って

ありがとうございました。

《今回、阿波の本藍染めのバッグはこちら》